チラシの安い坪単価に惹かれて…【後悔しない家づくり~23の失敗事例から学ぶ~①】
あなたは新しく建てる家にどんな夢を描いていますか? あなたが納得のいく家を完成させるには、たくさんの知識と知恵が必要です。
家は一生に一度あるかないかの大きな買い物です。何十年ものローンを組んで手に入れる、もっとも高価なお買い物です。
「何度も打ち合わせしたはずなのに、どうしてこうなってしまったのだろう」「この間取りは使い勝手が悪い。わが家には向いていない」数百万円、数千万円単位の大きな買い物をした後に、こんな後悔をしたくないものです。 そのために、失敗事例をもとに、知っておいていただきたい、考えていただきたい知識や必要事項を、今回から記事にしてお届けします。
週末になると新聞に折り込まれる大量のチラシ。その中で、素敵な家がたくさん掲載されている住宅会社のチラシがひときわ目をひきます。そこには、坪単価といった住宅の価格も載っています。
ある人は、チラシに掲載されていた坪単価30万円という数字に引かれて、A社を選びました。
50坪の家が完成し、引越しをした後のことです。
しばらくして親しくなった隣家の奥さんにお茶に招かれました。そこで、話題が家族のことから、家を建てた時の坪単価の話に。隣家ではB社に依頼し、坪単価35万円だったということでしたが、よくよく聞いてみると、すべてコミコミ。
わが家は、坪単価は安いものの、設計料(150万円)、カーテン(50万円)、照明(60万円)、収納工事(90万円)がオプション工事。ちなみに、A社とB社は、ほとんど、まったく同じ仕上がりの家を建築する住宅会社です。
A社 50坪×30万円+150万円+50万円+60万円+90万円=1,850万円
B社 50坪×35万円=1,750万円
A社の場合、坪単価は安いものの、オプション工事を加算すると、B社より100万円高くつきます。
実は、住宅の価格表示には特定の決まりはないのです。その価格の中にどんな部材が含まれるか、どんな仕様になっていないといけないという決まりはありません。そのため、住宅会社はそれぞれ自分の会社に合わせた価格を表示するのです。
価格表示のカラクリを知らないと、見かけの値段にまどわされてしまうことになります。チラシの価格だけを比較すると、坪単価の安いほうがお得に感じられますが、その中に何が含まれるかよく調べないと、高い買い物をすることになります。それに気がつくのが引き渡しの後、ということでは、取り返しがつきません。
くれぐれも、見かけの値段につられて住宅会社を選ばないように気をつけましょう。